整骨院・治療院の内装を工務店に依頼するコツ
2009年から整骨院など治療院専門の内装や看板の施工を請け負ってきました。
年数が経つにつれて、ご紹介やメール、電話などでのご相談も多くなり、受け答えの質というのも少しは良くなってきているのかなと自分なりに思っています。
これまで頂いた質問や相談で一番多いのは、やはり費用に関することですが、他の工務店と打ち合わせをしていて、しっくりこないので相談しました。というのも多いご相談です。
知り合いの紹介で工務店に依頼したけど、しっくりこない
この相談の背景には、作る側の工務店が「整骨院業界のことを知らない」というところから問題が発生しているのかもしれません。
患者さんと術者、スタッフの導線は施術スタイルによって違いがあり、レイアウトは様々です。
しかし、ベッドとベッドの間にどのくらいの余裕が必要で、低周波や干渉波、ウォーターベッドの配置など、いちいち聞かなくてもレイアウトの叩き案が出てくると、随分とストレスの軽減になります。
医療機器の名前を言われたとき、スムーズに会話が進むのと、進まないのでは打ち合わせのリズムも全く違うでしょう。
当然知っておくべきこと
・6.6㎡(2坪)の施術室、3.3㎡(1坪)の待合室
・7分の1以上の外気解放面積または換気設備
・手指消毒設備を設ける
・住居と店舗の出入り口を分ける
・施術室と待合室は壁で完全に仕切られている
・ベッドを2台以上設置する場合はカーテンで仕切る
・鍼灸と柔道整復を併設する場合の構造対応
・一人特例の有無
などなど
細かく書きだすときりがありませんが、内装施工を行うにあたって最低限抑えておくことです。このあたりでつまづくと、しっくりこないでは済まない問題が起こりそうな気配です。
業界を知らない工務店に依頼するには
友人や知人に工務店をやっている人がいて、どうしてもそこに依頼したい場合もあると思います。
そんな時は準備をしっかりしておけば問題ありません。
・開業3ヶ月前には見積り依頼をする
開業予定の店舗にあたりがついたら、工務店と一緒に現地に行き調査を行います。
1週間から10日くらいで、レイアウト図面と概算見積りは出来上がりますので、修正期間に余裕をもって3ヶ月前くらいから打ち合わせをはじめると軌道修正も楽です。
・必要な電源を確保する
工務店と現地調査に行った際は電気容量もチェックしてもらいましょう。
ホットパックやウォーターベッドなど電気容量の大きい機器を使用する場合は、電気メーターからブレーカーまでの電線を交換する工事が必要になる場合があります。
・レイアウトは手書きで書いてみる
レイアウト図面は事前にイメージしておいて、手書きで書いたものを渡してあげると親切です。業界を知らない工務店であれば、イメージがしやすくなりますのでお互いにブレが少ないレイアウト図面が上がってきます。
この時の手書きで書くイメージは、寸法にこだわらず入りそうかな?くらいで書いてみても問題ありません。
・看板の設置する場所を指定
レイアウトの手書きと同じように、簡単なしるしくらいのもので問題ありません。看板は集患に必要な設備です。
患者さんの目線をしっかり捉える位置に設置したいものです。このあたりをイメージすることは開業後にも役立ちますので、手間を惜しまずやっておきたいところです。
素人だから分からないという理由ですべてを任せない
はじめての開業でわからないことが多くて余裕がない状態かもしれません。
だからといって任せすぎると、いざ工事が始まるという段階で問題が発生するかもしれません。だから準備にはしっかり時間をとってコミュニケーションを大切にしたいところです。